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シリーズ:【好評御礼!】ビースト・ゲーム番外編『ヤミナベ・ゲーム』
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【好評御礼!】ビースト・ゲーム番外編『ヤミナベ・ゲーム』

作者:岡野 こみか

  • 無料作品 有料作品:¥0(税込) R18
  • 編集協力者:

    Renta!さんにて配信中のデスゲーム×BL絵ノベル「ビースト・ゲーム」。http://renta.papy.co.jp/renta/sc/frm/item/90427/
    1巻は無料で配信中です! 応援ありがとうございます!
    パピレスさんからも配信開始しました!
    そちらの販促とご紹介のため、番外編……というのでしょうか、参加者たちがまったり闇鍋に参加するお話です。こんなキャラクターが参加していますビースト・ゲーム、よろしくお願いします。


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    【好評御礼!】ビースト・ゲーム番外編『ヤミナベ・ゲーム』 11322文字

     

    「ヤミナベ・ゲーム」


     ――あなたの本当に好きなモノは、何?


    「……えっ?」
     気付けば俺は再び見知らぬ場所にいた。
     そして俺の周囲にはよく知っている人物が7人。
     ……いや、俺には彼ら以外の記憶を持っている人間は誰もいないのだから、俺にとって唯一無二の存在になるのかもしれない。

    「え?」
    「……は、何だ?」
     彼らもまたこの状況に驚いているのか、次々と困惑の声が口から漏れている。
     まあ、無理もない。
     つい先程まで、俺たちはビースト・ゲームの会場にいた。
     ビースト・ゲーム……俺達の中に紛れた淫獣を探して殺し合う……時に愛し合うゲーム。
     教室のような空間に、向かい合った机が8つ。
     そこで、“執事”の説明を受けていた筈、だったのに……

    「今度は一体何だってんだ!?」
     一際大きくエーガの声が響く。
    「どうゆう意図があるんでしょう……」
     次に聞こえてきたのは真奈斗の声。
     口々に響く7つの声に心の中で溜息をつきながら、俺は頭の中で状況をまとめ始めた。

     俺は、千尋流星。
     突然ビースト・ゲームというものに参加しなければいけなくなった。
     そして同じくゲームに参加することになったのが……

     同じクラスのエーガ。
     本名は少し違うが名前についてはここで深く突っ込みたくない。
     そして同じクラスの旭。
     それから、学校は違うが生徒会長をやっているという真那斗。
     副会長で眼鏡の厳しそうな生徒は蒼央。
     彼らの友人で引き籠りらしい生徒が小由。
     同じく友人の、日に焼けた元気そうな生徒が戒。
     そして……ひとつ年下の夕凪。

     ここにいる全員がゲームの参加者だった。
     ついでに言えば、俺たちはこの参加者以外の記憶すら失ってたり、参加者の間にはある共通点があったりするのだが……
     やっぱり、ここでは説明したくない。
     何故ならこの場所は、あまりにも今までの空間とは雰囲気が違っていたからだ。

     こたつが、あった。

     こじんまりとした部屋の真ん中にかなり大きなこたつが置かれている。
     8人全員が入れるほどの大きさだった。
     そしてこたつの上にはそれに負けない程の大きな土鍋。
     下にはコンロが置いてあって、ぐつぐつと音を立てている。
     そして部屋の隅には小さなテレビが1台――

    『――お待たせしました、ご主人様』
    「来たよ」
     唐突にテレビの電源が入りそこから聞こえてきた声にエーガがうんざりした言葉を返す。
     そこには“執事”が映っていた。
    「何なんだよここは」
    『これより、ビースト・ゲームは一時中断いたしまして、別のゲームを開始いたします』
    「はぁ?」
     一同を代表するように、エーガがテレビに詰め寄る。
    「ふざけんなよお前。あっちこっちゲームだゲームだって、参加させられる方の身にもなってみろよ!」
    「そうですよ。これではあまりにも振り回されすぎます」
     真那斗もまた抗議の声をあげる。
    『ご安心ください。こちらはゲームといっても、休憩のようなものですから』
    「休憩? 2時間からとか?」
    「休憩といいますが……ルールや罰ゲームのようなものはあるのですか?」
     エーガの微妙な反応には気付かず、真那斗が執事に食い下がる。
    『今回は、ビーストゲームのような命のやりとりや交わるといった行為は必要ありません』
     その言葉に、ほっと息が漏れる。
    『今回のゲームは“闇鍋”です』
    「あぁ?」
    「や……みなべ?」
    「闇鍋って、アレ……?」
     だが執事から聞こえた単語に全員が顔を見合わせる。
    『はい。皆様がそれぞれお好きな具材を持ち寄って鍋に入れ、それを食べるという――』
    「知ってるよ! 知ってるけど……どうすんの?」
    「僕たちは何も持ち合わせがありませんが……」
    『そこで、こちらの画用紙です』
     執事はテレビ画面の中からこたつの上を指差した。
     よく見ると、そこには画用紙と黒いペンが積んである。
    『ご主人様方にそれぞれ3枚ずつ画用紙を用意してあります。それにひとつずつ食べたいと思う具材をご記入ください。書かれた具材を鍋に入れ、ご用意させていただきます』
    「へ――」
    「本当にそれだけ?」
    「食べたいもの? 何でも入れてくれんの?」
     本当にただの闇鍋らしい。
     いや、好きなものを入れてくれるというのだから、俺たちにとっては歓迎すべきゲームなのかもしれない。
    『ただし――』
    「やっぱ何かあんのかよ」
     執事の台詞にうんざりしたようにエーガが聞き返す。
    『記入するのは“本当に食べたいもの”でなければいけません。適当に思い浮かんだものは入れることができません』
    「え、それだけ?」
    「本当かよ? どっか落とし穴とかないよな?」
    『それだけです』
    「毒とかそういうもの入れられたり……」
    『当人が食べたいと望むものしか認められませんので、大丈夫です』
    「なら問題ないじゃん!」
    「いえ……色々な食材が想定されると思うのですが、はたしてどんな鍋になるんでしょう」
    『その点はご安心ください』
     気遣わしげに尋ねる真那斗に、執事は請け合った。
    『どのような食材でもある程度食べられるように調理させていただきます』
    「……最終的にカレーなんじゃね?」
    「俺カレー好き!」
     ぼそりと呟く小由に戒が嬉しそうに返す。
    「ええと……それでは、何も落とし穴はないんでしょうか?」
    「さあ……しかし聞いた限りでは特に人が傷つくようなルールではなさそうですね」
    「むしろ好きなモン食わせてくれるんだろ? ラッキーじゃん!」
    「鍋限定ですけどね」
     顔を見合わせる真那斗と蒼央の背中をエーガが元気よく叩く。
     その横で夕凪が面白くなさそうに呟いた。
    『それでは、準備もよろしいようですので――ただ今から、闇鍋ゲームを開始いたします』
     テレビの中の執事が居住まいを正し、俺たちに宣言した。
    『こちらのゲームは、ビーストゲームでは排除されていた“食欲”を満足していただくべく用意したものです。どうぞお好きな食材をご記入ください』
    「いや、今なんか聞き捨てならない台詞が聞こえたよ!」
    「食欲が排除されたって……どういう意味ですか?」
     執事の説明に俺と蒼央が慌てて聞き返すが、それ以降執事の答えはない。
     テレビも消え、ただ沈黙が流れるだけ――

     ぐぅ……

     その沈黙を打ち消すように小さな音が聞こえた。
     腹の音だ。
    「……」
    「……」
     誰の音だったのだろうか。
     全員が気まずそうに周囲を見回す。
     ……もしかしたら、俺の音だったのかもしれない。
     いつの間にか、急激に空腹を感じるようになっていた。
     胃袋の中が空っぽで、一刻も早く何かを入れたいという猛烈な欲求が湧きあがる。
    「なぁ、別に細かいことはいいじゃん。俺腹減ったよ」
     戒が空気を読まず――いや、この場合正しい空気というべきなのだろうか。
    「そうだなぁ……とにかく早く鍋食いたいし」
    「本当にいいんでしょうか……」
     戒の言葉にエーガが頷き、真那斗は気遣わしげに瞳を伏せる。
    「……ひとまず、この周辺には何も問題になるものはなさそうだ」
     一人黙ってこたつや鍋を確認していた旭が口を開いた。
     鍋の中にはお湯とこんぶが入っているだけ。
     こたつは掘りごたつになっているらしく、中からほんのり温かい空気を感じた。
     そして同時に、この部屋の妙な寒さに気付く。
     こたつと鍋に丁度いい温度に調整してあるんだろうか。
    「こたつ……入ろうか?」
     俺の提案に誰も文句をいう者はなかった。

     そして……つい先程までデスゲームの参加者だった俺たちは、鍋を囲んでこたつに入るという奇妙な状況に身を置く事になった――

    「はい、どうぞ」
    「あ、僕がやります」
     真那斗がこたつの上に乗っている画用紙を全員に配り、夕凪がそれを手伝ってペンを配った。
     俺たちの手元には画用紙が3枚とペンが1本ずつ。
    「……どんあ状況だよ……」
     シュールな絵面にエーガがため息をつくが、それに答える者はいなかった。
    「えーと、それでは各自食べたいものを書いていきましょうか」
     なんとなく真那斗が仕切り始める。
    「ええと……」
    「うーん……」
     ペンを持って止まったままの面々から唸り声が聞こえてきた。
     かく言う俺もその一人。
     いざ書けと言われると、なかなかいい物が思いつかない。
     まして、鍋に入れるとなると……

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    作者紹介

    • 岡野 こみか
    • 作品投稿数:26  累計獲得星数:240
    • 『ゼロコンマ』シリーズが4巻までRentaさん、パピレスさんから配信中!
      デスゲーム×BL小説『ビースト・ゲーム』も配信中です。
      これらが形になったのは、全て皆さんのおかげです!
      心から感謝させていただきます。
      これからも、もっと、色々書いていきたいなと思います。
      よろしくお願いします。

      文章書き、の端っこの端っこです。
      BLもラノベも、まだまだ初心者です。
      現在、クリエイティブRPG「三千世界のアバター」(http://s-avatar.jp/)にてゲームマスター(ライター)をやってます。←皆様のキャラの活躍を小説にしています。
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      twitter:https://twitter.com/komi70241055

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