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シリーズ:愛を求める女
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愛を求める女

作者:かにゃんまみ

  • 無料作品 有料作品:¥0(税込) R18
  • 編集協力者:

    安彦は仲間と釣りをして変わった魚を釣りあげる。その帰りに妙に色気のある女に遭遇した。雨の中彼女は安彦を見て顔を赤らめる。不思議な女と奥手な男の奇妙な物語。


    登録ユーザー星:6 だれでも星:2 閲覧数:275

    愛を求める女 7982文字

     

     
    「お前なんてどこかに行ってしまえばいい」
     安彦は乱暴に白艶の衣服をはぎとろうとした。しかし瞳から涙が溢れ、零れ落ちる。安彦は涙が止らなかった。嘘だ……。あんなに健気だった白艶が哲也や孝行と肌を合わせてしまったなんて、そう思うと嫉妬で気が狂いそうになる。
     なぜだ、どうしてなんだ。疑問だけが頭にうずまく。
     安彦は白艶の胸元をはだけさせ白い太ももをわり分け入ると両腕を押さえつける。小さくうめく白艶の耳朶に触れ、その細い首筋を愛撫し、ふくよかな胸に唇を滑らせた。けれどはっとそんな自分に気づくと抑えていた手の力が緩む。
     出会ったばかりのころの恥らう白艶を思い出す。今までの事がまるで夢のように思い出された。動きを止めそっと白艶の上から離れると力なく肩を落とす。
     
    「白艶……僕は本当にお前を大事に思っていたんだ」

     白艶の瞳から涙が滲み溢れてくる。白艶は安彦の頭を愛おしむように包み込み抱きしめた。

    「大事に思っていたんだ」

     しばらく二人で泣いた。白艶は目をぎゅっと瞑り、いつまでもそのままでいたい気持を押し殺す。白艶は安彦から離れると、ふっと彼の目を見て微笑むと服を脱ぎ始めた。

    「なにを」
     焦る安彦の目の前に白艶は生まれたばかりの姿を晒す。その体は異常なほど濡れて白く膨張し変化し始めた。辺りは真っ暗になる。ぶくぶくと不気味な音が聞こえた。そこは耳がキーンとするほど静寂の闇だ。白くもったりとした腹は熟れたように垂れて足は退化し、顎が大きくなりギザギザの歯が不気味に笑っているように見える。頭から光るボンボンのようなものを揺らした。

     なんだろうか、これは。
     驚愕する安彦の目には膨張した腹に蠢く異物が見える。その腹には男たちが彼女の体に吸い付くようにくっついていた。白艶の体と同化していて下肢はほとんど退化し溶けている。顔もないものもいたが白濁透明な腹から半分解け罹った状態で張りついている。
     そのうちの一人が助けを求め血走った目で安彦に視線をあわせた。それが孝行だと知ると安彦は絶叫した。

     気がづくと天井の蛍光灯が弱弱しい光を放っていた。静寂に包まれた部屋に白艶の姿はない。立ち上がった安彦の足元に丸い髪飾りが落ちていた。手に取るとどこかぬるっとした感触がした。

     安彦は朝焼けの海に立っていた。片手には図書室で見つけた魚図鑑を手にしている。
     夜釣りの時の魚の正体がわかった。深海魚のアンコウに違いない。正式名称はミツクリエナガチョウチンアンコウ科びわアンコウという。メスが大きく、オスはメスの十分の一ほどしかない。オスたちはメスの体にかみつくことで生きながらえ、子孫を残すことができるそうだ。オスは生殖器しか必要とされないため、張り付いたオスたちはメスの体に溶けてメスの体から直接栄養分をもらっている。もはや自我はなくなる。
     それを見て安彦はアンコウは本能で生きるだけで恋もできないのか、とむなしさを覚えた。もしかして白艶も同じように思っていたのかもしれない。

     結局白艶が何者だったのかはわからなかったが、このアンコウと白艶の姿が重なって見えた。
     一緒の暮らしで時折見せた白艶の笑顔と切なそうな顔を安彦は思い出す。彼女と過ごした日々は今でも切なく胸に降りてくる。
     安彦との穏やかな生活そのものが彼女の望みだったのではないだろうか。
     安彦は髪飾りをぎゅっと握り締めると、雨晴れの中いつまでも海べりに佇んでいた。

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    コメント

    • 今回も惨敗に終わりましたが(笑)みなさんのご意見を聞いて本当に参考になりました。今回はオチありきの話だったのでそこまで話を展開させるのに精一杯でまだまだ本当に伝えたい事が書ききれてまたは表現しきれてませんでした。でもこれを書く事によって少しだけどうして行けばいいのかというか何が一番大事なのかというのを改めて考えるきっかけになったと思います。
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    • ども、ホラコンの難しさは、すでに身構えている相手を怖がらせなければならないところにあると思っているHiroです。
      なので、敵を油断させることにコツのようなものがあるのでは…などと妄想しています。

      それはともかく、拝読させていただきましたので、拙いながらも感想らしきものを残させていただこうと思います。
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    • ネタはいいのに、それを小説としてきっちり活かしきれていないのが非常に残念に思います。
      いや、じっくり読み込んで場面を想像すれば怖いんですが、初読から白艶の正体と目的が恩返し的なものであろうと察せられるので、いやでも彼女が最後に何をして終わるのかに興味が集まります。で、その結果を明かすだけの物語に8000は長かったかなと。

      話を要約すると、
       魚を助けた主人公は、魚から恩返し的な行為を受けるものの、魚が事故から本能をとりもどし、最後には化け物としての姿を主人公に晒して消えていってしまう。
      みたいな感じでよいでしょうか?
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    •  これだけ読むとちゃんとクトゥルフっぽいホラーとして成立してるのですが、登場人物たちが風景の一部と化しているような薄さ(悪く言えば無個性)で、物語に没頭させ難くなっているように思えました。

       特に初読では前半の白艶のイメージがつかみづらく、彼女がなんの目的をもって主人公の元へやってきたのか不明でした。
       つう(鶴の恩返し)的に恩返しをしたかったのでしょうか? あるいはシレネッタ(人魚姫)的に憧れの人と再会を願った?
      • 3 fav

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    •  再読時には気にならなかったのですが、人物像をつかめないまま物語が流れていくと話が他人事となってしまうため、「この子はこういう子なんだよ~」というイメージを読者にしっかり植え付けたほうがいいかなと思います。
      (しゃべれず、料理上手で美人という『設定表示』だけでは薄いので、なるべく行動描写にしたほうがよいのではないかと)
       主人公についても同様です。
       あと大学生設定はなるべく早い段階で出したほうがよかったかも。
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    • >構成
      前ふり:魚釣り(出会い)
      起:白艶との再会?
      承:白艶との幸せな暮らし
      転:襲われ覚醒(?)する白艶
      結:別れとその後

      物語の構成は巧く作られているものの、ホラー展開に入る前のラブラブ感が伝わってこないためか、それまで幸せに暮らしていた白艶が化物と化しても、主人公と別れてもあまり感情に訴えてくるものはありませんでした。
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    • >総評
      人物描写の掘り下げができれば、評価はもっとあがるのではないかと感じました。
      御作の売りは背景的なホラーっぽさでなく、登場人物(白艶とそれに影響される人たち)にあるのですから背景描写を削り、人物描写を増やせば物語の売り所(ラストシーン)が映えると思います。


      長々と失礼しました。
      好き勝手に戯言を吐いておいて申し訳ありませんが、この通りに作品を修正しても大衆ウケする保障はないのでご了承ください(爆
      ではこのあたりで…ノシ
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    • うわぁあああああ(TT)凄く的確なご意見ありがとうございました。凄く勉強になりました!!どうにもネタはいつも良いと友達にも褒めてもらえるのにその先の文章にとりかかると強さみたいなのが鈍る傾向にあるようです。要するに小説という形になると要点がわからなくなる@@;敵を油断させるコツですかー。まだまだですねぇ@@;本当に参考になりましたのでノートに記させていただきます。今後の糧にできたらと思います。ありがとうございます(TT)
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    • ネタばれにならないようなるべく気を付けつつ……、印象的だったシーンは、ヒロインの○○と○○と目が合うところでした!!ビックリハッソウ こちらこそ夢に出てきたらどうしようかってかんじです( ゚Д゚)ゾゾゾ  
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    • ありがとうございます。いつもみなさんのように深みをもたせて書きたいところですが、なかなかどうして小説は奥が深くて毎回四苦八苦しながら書いています。一つでも印象深いシーンを鹿さんに残すことができてホッとしております。
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    • 想像したらほんと怖いです……( ゚Д゚)
      それにしても、主人公以外の男どもがゲスすぎる(;O;)
      そういうところも、どことなく昭和っぽい感じがします。
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    • ミオナさんありがとうございます(TT)昭和っぽい1ゲットいたしましたぁあああ!主人公以外ほんとに煩悩のみのゲスですね。ちょっぴり白艶の嘆きが聞こえてきます。
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    • 参加者のみなさん、細かな修正が多く年中修正してそのせいであがってしまっています;すみません。御迷惑おかけしております。修正してもあがらない機能が欲しいです(TT)
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    • ぜひ教えてください~。
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    • ヒロインがまさかのあの魚でびっくりしました。たしかにあの魚を擬人化したら怖いことになるかもしれません。本作に流れる物悲しい雰囲気がなんとも言えず味わい深かったです。
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    • ナマケモノさん、コメントありがとうございますv長いこと温めていた作品だったので話の設定が二転三転としていました。友達にもガンガン言われながらなんとか形になりました。魚の生態は不思議なものですよねぇ@@;
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    • お久しぶりです(^O^)/
      どういうお話なのだろうと進めていくうちに思いっきり引き込まれてしまいました。
      切ないですね。主人公はどっちが良かったのだろうと思い、余韻が残りました。
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    • お久しぶりです。(^^* 今回は参戦無理かなぁと思っていたのですが、ギリギリまでかかってやっと一作できました。余韻が残るようにがんばったのでそう言っていただけるととても嬉しいです。
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    作者紹介

    • かにゃんまみ
    • 作品投稿数:37  累計獲得星数:309
    • 初めまして。2014年の3月末位から初めてここに投稿させていただきました。

      ツイッターかにゃんまみで登録しました。BL小説書きの方とフォローしたいです。よろしくお願いいたします。

      長い間BLの小説を趣味で書いています。
      絵を描くのも好きですが、小説を書くのも大好きです!
      職業はゲームのドットやアイコン背景画のデザイナー?(^^;しがない絵描きです)
      フロンティアワークスさんのゲーム。三千界のアバターのシナリオのお仕事もさせていただいています。

      BLサイトはhttp://bluemoonlight.sakura.ne.jp/です。
      不束者ですがよろしくお願いいたします。

      最近好きな物。あいうえお順。種類雑種;



      アガサクリスティー
      阿部寛
      イトケン
      エルキュールポアロ
      小山慶一郎
      堺雅人
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      志倉千代丸
      鈴村健一
      筒井康隆
      仲間由紀恵
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      ユリアリプニツカヤ
      ポルノグラフティ
      (他にも色々あるけど……)
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      帰還~moonlight~:http://bluemoonlight.sakura.ne.jp/

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