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シリーズ:煌めきが隠す夜の闇(Sparkling Night-月の帽子屋-)
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煌めきが隠す夜の闇(Sparkling Night-月の帽子屋-)

作者:西崎宮都

  • 無料作品 有料作品:¥0(税込) R18
  • 編集協力者:

    「夢王国と夢見る100人の王子様」久しぶりのマッドハッター★5イベント「Sparkling Night」月が素敵でした記念に、夢100で初めての版権エロ書いてみることに。マッドハッター(Sparkling Night月)×主人公。
     カクテルで酔っ払って帰ってきた熱そのままに前半部分書いて、後半はお盆のちょっと冷静なときに書いたので、後半の主人公もちょっと冷静か。


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    煌めきが隠す夜の闇(Sparkling Night-月の帽子屋-) 4709文字

     

     帽子屋さん。
     彼のことを、どう読んだら良いのか分からない。
     帽子屋さん?
     マッドハッタ―さん?
     ……。
     
     彼は、私の手の届かないところに居る。私がどれほど追いかけようとも、彼は別の誰かを見ている。
     それでも。
     ……私は、彼と久しぶりに逢えたことに、胸の高まりを押さえる方法などあるはずもなかった。
     彼が、華麗なロイヤルストレートフラッシュを美しい指先から奏でだしたのを見て。
     彼が、私のためにかけたプールサイドの魔法を見て。
     彼が……。

     彼の指が、私の唇を撫ぜて、顎を伝い、胸へと落ちる。
    「ふふ、お嬢さんの瞳は……雄弁ですね」
     まだ、とても言えない。私の胸の中央ではなく、帽子屋さんが選んでくれた紫のドレスを……はしたなくも押し上げている先を……。
     まだ少し、カクテルで酔いが回っているのだろう。私がかつて指輪から救った幾人もの王子たちが、私のために考え抜いて作り上げた甘く美しい酒は、私を淫らな女へと変えていく。たった一人の男のためだけに。
     
     ……私には、役目が。
     それは分かっている。
     でも。
     世界の王子様、100人? 200人?
     異世界からよく分からないままやってきて、私に与えられたのは、トロイメライの姫、という役割。何百人居るのか分からない王子たちの救出の旅。姫としての様々な仕事。
     でも。
     私は、その役目の中で、帽子屋さんに出会い……恋に落ちた。
     彼と心も体も結ばれたのに、私の劇は、まだ終わらない。
     ハッピーエンドが見えないこの劇中で、夏のプールサイドで再会できた、誰が設定したのだか分からないファンタジーには、ただ感謝せざるを得ない。

     ……帽子屋さんの、つい先ほどまでトランプとコインを弄っていた指が、私の胸元に触れる。そのまま下へと流れる。
     布地が、彼の指を押し留める。
     皆が、私のことを清楚で可憐な姫、と褒めたたえ、その先には絶対に踏み入れない。ドレスにも。私の……心にも。
     帽子屋さんの指だけが、分け入っていく。
     細くて長い指先。
     私のことなんて、見てないように細められた瞳が。
     このときだけは、私を、伝う。
     すっかり女に仕立て上げられた体を隠すように、ドレスの胸元はきつく締め付けられているのに、彼の吐息とともに一瞬で解放される。
     私を翻弄する言葉しか紡がない舌が、彼が私を抱きしめている時だけ、耳を弄り、全身を蕩かす、ただ、甘く、甘く、虹色のカクテルよりも、この世界で見つけたどんなチョコレートよりも甘く、私の心と体を蕩けさせていく。
    「ん……ふぅ……」
     彼が与える甘い苦痛に対して、何か紡げようか。
     彼の指が、彼の選んだドレスの胸元をじりじりと下げていく。昼間のプールサイドでは、鉄壁の防御で私を守っていたのに。
     彼の前では、従順な執事のように、彼が望むがままに道を作る。
    「帽子屋……さん……」
     辛うじて、彼の仮の名前を思い出せた私の唇は、その名前が仮のものだと私に知らしめるかのように、熱い唇で塞がれる。
     入ってくる舌に応えようとした瞬間、彼の指を待ちわびていた右の乳首が強く抓られる。
     彼の、あの細くて長い人差し指が、私の乳首を捏ねる。
     ……あぁ。
     旅の途中、何度、彼の指を思い出して、自分を慰めたことだろうか。
     そんなことはすべて夢の奥に仕舞い込めるほどの彼の指に、体が解け、彼を待ちわびて蜜が溢れる。
     彼を想って、私の心以上に、体が、雄弁に、彼を求めて蠢く。
    「ん……」
     彼の唇が嬉しくて仕方ないのに、私が出せるのは、ただ、彼の口付けと口づけの間に辛うじて出せる、吐息だけ。
     彼の指が、私の胸から、下へと降りていくことを。
     待ちわびる以上に、何もできない、私。

     ――彼と出会ったときからそうだ。
     彼の出す謎解きに、私が答えを出せるはずもない――。
     
     彼のエメラルドグリーンの瞳が私に問いかける。
     私は、ただ、何も語れず、ただ彼の首元に、手を回す。
     彼の首を引き寄せる。
     彼の……どんな小さな呟きでも……聞き逃しはしないように。
    「お嬢さん……君は……」
     彼の熱い吐息を間近で感じつつ、彼の指が私の胸から脇腹、そして、彼以外に見せたことがない場所へとたどり着くのを、ただ、感じる。
     彼が選んだスミレ色のドレスは、もう胸が大きくはだけられ、彼の唇が辿った後が赤く色づいている。
     薄い布地が何枚も重ねられたスカートは、今ゆっくりと、彼の手で後ろのリボンが解かれようとしている。ひだが多いドレスが、後ろのリボンを解くだけですべて取れてしまうことを知っているのは、私と……彼だけだ。

     彼の指が開いた場所へと、彼の唇が降りていく。
     薄い下着がぐっしょりと濡れているのを見られたくなくて足を摺り寄せるが、彼の前では何の抵抗にもならない。リボンを解いた彼の指は、私の脇腹から、秘部へと、じりじりとじらすように、到達する。
     くちゅ、と、この場に不釣り合いだとしか思えない水音が響く。
     期待と、恥ずかしさと。
     ただ、欲望と。
     それを知られぬように背けた首は、美しい指ですぐに正面に戻され、舌が、私を責める。
     ゆったりと、舌先だけが絡められる。きつく閉じてしまっている私の瞳が、甘い刺激に耐えられなくて開くと。待っているのは、ただ優しい、エメラルドグリーンの彼の瞳だけで。
     私と彼の瞳が再度絡み合ったのを見計らったかのように、私の舌先だけを弄んでいた舌が、歯を撫ぜ、口の奥へと進む。下着越しに入り口をゆっくりと往復していた指先が敏感な突起を僅かにかすめただけで、腰が震え、彼の舌を噛みそうになる。
    「お嬢さんの声……ずっと聞きたかったのですよ」
     彼が言う『声』とは、喋ったりする声ではないのだろう。それに気が付き耳まで熱くなるが、漏れる声は止められない。
     咥内を弄り尽くした唇が、首へ、胸へと降りていく。舌の動きはただねっとりと私を翻弄するのに、下を責める指先は性急に、私を高みへと導びこうとする。
    「いや……ぼう……し……」
     独りではイキたくなくて彼の名を呼ぼうにも、うまくいかない。私の舌が焦っているうちに、私の中は、彼の指に勝手に絡みつき、彼に逢えなかった日々を埋めようとするかのように蠢く。
    「あ……いや……」
     ふっと、指の動きが止まる。いけそうでいけなかった中が、蠢き、蜜を垂らす。
    「お嬢……さん?」
    「いや……です……」
     辛うじて絞り出すが、彼の瞳が苦しそうに歪んだのを見て、言葉が足りなかったことに気が付く。
     ただ……彼は、たぶん気が付いているのだろう。
     私が何も言えないまま、彼の舌が私の首元をゆっくりと撫で、糸を引きつつ離れる。
     彼の長い金色の髪が、ひと房、私の胸を探るように流れていき、それだけで、彼の愛撫に慣らされた体が疼く。
     
     ……あぁ、きっと、私は物欲しそうな顔をしていたに違いない。
     
     私は、そんな自分を隠すこともできず、自分の胸を辿った彼の髪を掴み、口元に寄せた。
    「君は……」
     帽子屋さんの瞳が、髪に引き寄せられるように近づく。
     絶対近寄れないような彼の瞳が、この、私を求めて暗い炎を宿す瞬間が、堪らなく好きだ。
     きて、と言葉に出さなくても、視線が絡み合った瞬間に、私がどれだけ彼を求めているのかが伝わったことが分かる。
     更に催促するかのように、私の指が、彼の肩まで落ちたローブを、更にずらす。
    「……すっかりいけない子になりましたね……」
     薄布にかけた指を責めるように指で軽く捕まれ、指先に唇が這わされる。
    「いいですよ……脱がしてください……」
     責められているのかと思った指は、彼の心臓へと導かれる。熱い肌の下の鼓動が、抱きしめられたとき以上に高まっている気がする。
     私の手がそこから動けないのが分かったのか、彼はローブを自らゆっくりと崩していく。彼の裸体を照らし出す月明かりが、水面に反射したのか、きらきらと揺れた。透き通るような青い光に照らされた体がこんなにも熱いなんて。
     彼が私を抱くときにあまり脱がないので、こうして陶磁の肌を見つめていると、それだけで特別な時間を過ごしている気がしてくる。
     彼がゆっくりと腰紐をとき、ローブをベッドの隅に流す。隠すものがなくなった裸体の中央に、彼自身がきつくせり上がっているのを見てしまい、私は思わず胸に当てたままだった手を引っ込めた。

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    作者紹介

    • 西崎宮都
    • 作品投稿数:13  累計獲得星数:28
    • 西崎宮都(にしざきみやと)。ボーイフレンド(仮)など版権小説中心に書いています。特に西園寺生徒会長(西園寺蓮)×赤主人公のR-18(官能小説)。読みたいシチュエーション、読みたいカップリングなどコメントで募集。

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