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シリーズ:百物語
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百物語

作者:伊藤康弘

  • 無料作品 有料作品:¥0(税込) R18
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    登録ユーザー星:0 だれでも星:19 閲覧数:84

    百物語 816文字

     

    「おい」
    「…」
    「おい、真司」
    「あ…え?なに?」
    「次、オマエだよ」
    「あれ?オレだっけ?」
    「そうだよ」
    「あれ?オレ話さなかったっけ?」
    「なにボーっとしてんだよ、オマエでラストだよ。蝋燭見ろよ」
     真司の前に置かれた蝋燭の炎が揺らめく。
    「あぁ、そうか…えっと幽霊とか出ない話だけどいいかな…オレ、霊感ないし」
    「怖い話ならなんでもいいよ」
    「あ、うん。いちおう実体験だから」
    「いいねぇ、話して」
    「うん、いままで生きてきて一番怖かったのは、小学校低学年の頃かな、工事現場で遊んでいたときなんだけど…ひとりでさ」
     黙って耳をかたむけている友人たち。
    「土管じゃなくて、もっと細い、水道用の…」
    「鉛管?」
    「あぁ、たぶんそれ。ちょうど子どもがギリ入れるような太さでさ、わりと長いのが放置されてたんだよね。覗くと向こう側が見えてさ、ちょっと冒険家になった気分でこれをくぐり抜けてやりたくなって頭からもぐり込んだんだ。で、進んでいって真ん中あたりまでいったのかな、最初は気づかなかったんだけど凹んでいたというか、中からだと狭くなっていて、どうにもこうにも動けなくなったんだよ」
    「うん、怖いな」
    「だろう!」
    「うん、で?」
    「え?」
    「それで?」
    「え、なにが?」
    「いやいやいや、で、どうしたんだよ?」
    「えっと、叫んだ」
    「うん」
    「…」
    「で?」
    「え?」
    「だからオチ!どうやって脱出したんだよ!」
     しばらく考えている真司。
    「えっと…ちょっと待って、思い出す」
     無言のまま真司を見つめている友人たち。
     額に手をあて記憶を呼び覚まそうとしている真司。長い沈黙の後に口を開き、
    「オレ、出てない」
    「は?」
    「うん、オレまだ閉じ込められてる」
    「おい」
    「…」
    「おい、真司」
    「あ…え?なに?」
    「次、オマエだよ」
    「あれ?オレだっけ?」
    「そうだよ」
    「あれ?オレ話さなかったっけ?」
    「なにボーっとしてんだよ、オマエでラストだよ。蝋燭見ろよ」

     真司の前に置かれた蝋燭の炎が揺らめく。
     真司、口を開き…

    (おわり)

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