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シリーズ:キャプテン3・沈黙
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キャプテン3・沈黙

作者:伊藤康弘

  • 無料作品 有料作品:¥0(税込) R18
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    キャプテン3・沈黙 824文字

     

    カンカンカンと住宅街に鳴り響く鉄下駄の音。その先に集まり川を指差している人々。走ってきた勢いのまま欄干を飛び越え水面にダイブするキャプテン。
    警官が言う。
    「これで安心ですな、皆さん」
    川には助けを求めながら必死で水を掻いている幼い男の子。
    町民が声をかける。
    「安心しろ、もう大丈夫だぞ」
    顔を歪ませて水を掻き続けている男の子。
    警官が言う。
    「そういえば今晩からペナントレースですなぁ。ま、巨人で決まりでしょうが」
    「いやいや、ヤクルトの助っ人外国人が評判通りならわかりませんよ」
    「阪神は…」
    「ありえませんな」
    楽しそうに笑い合う警官と町民たち。
    「さて…あれ?」
    町民が首を傾げる。
    波ひとつない水面。
    「子どもとキャプテンは…どこだ?」
    不思議そうな顔の大人たちに向かい少年が言う。
    「沈んだよ」
    「え…」
    「子どもは力尽きてそのまま」
    「でもキャプテンはスポーツ万能だろ」
    「万能だよ。誰よりもね」
    「なら、何故…?」
    「鉄下駄を脱がずに飛び込んだから」
    静まり返る人々。
    「皆んなさぁ、キャプテンに頼り過ぎなんだよ!」
    少年、警官を正面から見据えて、
    「だいたいお巡りさんはなにしているの?こういうときに身を挺しないでなにをしているの!」
    「わ、わたしはオチでなんとなくうまくまとめるというキャラなので…」
    「なら、まとめてよ!」
    警官に詰め寄る少年。
    「この事態をうまくまとめてよ!」
    少年の額に穴が空く。
    銃声と同時に血が吹き出る。
    驚いている町民たちに警官は銃を向け次々に発砲する。
    空になった弾倉にポケットから出した銃弾を装填している警官。
    驚きながら町民が訊く。
    「あんた…なにしてるんだ…」
    「うまく終わらせますので撃ちますよ」
    銃弾を込め終えた警官が再び発砲を始める。
    パン、パンと乾いた音が住宅街に響く。

    死体の真ん中で立っている警官。
    自らの顎に銃口を当てて、
    「これでわたしも大メダマ」
    引き金をひく。
    銃弾は警官の顔面を貫くと目玉とともに飛び出す。
    やがて町自体が死んだかのような沈黙が舞い降りた。

    〈了〉

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    コメント

    • 警官と町民、少年との会話が リアルですが不思議と温かな雰囲気で 好きです。それとは 反対に激しい動の部分がシュールで何か軽やかなんですね。
      静寂と残虐さが対等にあって とても面白かったです! 冒頭からスッと物語に 入りこめる心地よさは秀逸です。
      ラストの「これでわたしも大メダマ」
      素晴らしい! これ大好き!
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    • ありがとうございます!完結編を書くとは自分自身思ってなく前2作のキャラが自ら動いてそれを記録しただけという感じの作品です。丁寧なご感想ありがとうございました!
      • 1 fav

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