upppiは縦読みコミック(タテコミ)・イラスト・小説が無料で楽しめるサービスです!

ようこそ!ゲストさん
シリーズ:俺のカノジョはインベーダー
閲覧数の合計:138

作品を編集する

  • シリーズタイトル・ジャンルの修正
  • この章を改訂する
  • この章を削除する
  • シリーズに作品を追加する
  • 表紙画像の変更

俺のカノジョはインベーダー

作者:不知詠人

  • 無料作品 有料作品:¥0(税込) R18
  • 編集協力者:

    ある日遭遇した美少女は宇宙人。
    その使命は地球征服。

    超美人だが性格に難ありまくりの主人公の妹が手伝ってやると言いだしたからさあ大変!

    アニメ、特撮の名作のパロディ満載のコメディーSF。


    登録ユーザー星:0 だれでも星:2 閲覧数:138

    俺のカノジョはインベーダー 161008文字

     

    第1章 銀色の侵略者

     それは俺がまだ神様を信じていなかった頃。昔、なんかそんな歌があったな。
     高校時代の我が身の行いの当然の報いとはいえ、受けた大学に全部落っこちて予備校通いをしている身の俺にとっては、この世に神も仏もあったもんじゃなかった。しかし神様より先に宇宙人の存在を、これはもう、信じざるを得ない状況に陥ってしまったのだから、人生一寸先は闇とはよく言ったものだ。
     東京の下町にある全国的に有名な予備校に通うため、両親は近くに俺のアパートを借りてくれた。実家からだと電車で1時間半ぐらいの距離だから実家から通えないこともないのだが、俺が「一分一秒を惜しんで勉強したいから」という心にもない事を言って、そうしてもらった。実家を早く出たい訳があったのだ。
     浪人生活は憂鬱ながらも、夏休み直前で浮かれていたのか(ちなみに予備校にも短いが一応夏休みはある)、近所のコンビニから自転車に乗ってアパートに戻っていた俺は、停止も減速もせずに十字路を曲がってしまい、その「何か」と正面衝突してしまった。
     それは赤い光の球に見えた。直径数メートルはありそうな赤い光の球に見えた。きっと大型トラックのヘッドライトだろうと俺はその時思った。そして自分の体が自転車ごと宙に浮き上がるのを感じた。
    「東京で予備校生、トラックにはねられ即死」
     そんな見出しで明日の新聞に俺の名前が載るのかな?そんなどうでもいい事が脳裏をよぎった。思えば短い一生だったなあ。せめて三流でもいいから大学生になってから死にたかった・・・
     なんて事を考えながら、それにしては痛くも苦しくもないので目を開けてみると、俺の体は目がくらむような赤い光の中で、文字通り、宙に浮いていた!
    「申し訳ない事をした……」
     どこからか、そういう声がした。エレキギターの音を歪める機械を通したような声で男か女か分からない。だが確かに日本語だ。
    「だ、誰だ?俺はどうなったんだ!」
     俺は思わず叫ぶ。
    「フ、フフフ……」
     正体不明の声の主は笑っている。
    「大丈夫、何も心配することはない。君にこれをあげておこう」
     俺の胸の辺りにポトッと小さな懐中電灯のような銀色の筒が落ちてくる。そして声の主が続ける。
    「何かの時にはそれを使うといい」
    「使うとどうなるんだ?」と俺は訊いた。
    「えっ???」
     それが声の主の反応だった。思ってもみなかった反応が相手から返って来てしまったのでポカンとしている、そんな感じだ。
    「だから使うとどうなるんだよ?生き返れるのか?」
    「あ、いえ、あなたはべつに死んではいませんが……」
    「ちょっと待て!なんかこれと似たようなシチュエーションと会話を以前どこかで見たような気がするんだが……それも、うちの親父の古いビデオのコレクションの中の一つだったような……」
    「あ、あのう……」
     声の調子が変わった。音声そのものも歪みが消えていて、はっきり女の声だと分かる。それも若い女、俺と同じぐらいの年の女の子じゃないだろうか?
    「この星の電波から抽出した映像を参考にしたんですが、何か変ですか?」
     俺はしばらく考えて、思い当たる節を見つけた。
    「その電波って、この星からどれぐらい離れた所でキャッチしたんだ?」
    「あ、はい。ええと……確か五十光年ほどだったかと……」
     なるほどね。俺も理系の大学志望者の端くれだ。電波と光は同じく電磁波という波の一種で空間を伝わる速さは似たようなものだ。
     つまり、五十光年離れた所から地球を見ると、半世紀前に地球を飛び出した光が見える事になる。俺達が毎日見ている太陽だって、実は八分ぐらい前の姿なんだ。太陽から地球に光が届くのに八分ほどかかるからだ。
     つまり、この女、何者だかまだ分からないが、この女の子が言っている「この星からの電波」ってのは1960年代ごろに地球から発信された物だと考えていい。そういう出だしで始まる特撮番組ってのがあったよな、確か。親父の子供時代に。
    「あのな、それいいかげん古いぞ。変な演出はいいから姿を見せてくれ」
     俺は心底げんなりした口調で言った。今の十代に「フラッシュビームで変身」なんて、ギャグでも通じんわ!
    「あれ……あたし何か間違えたのかしら……すいません……あの……」
    「いいから!さっさと姿を見せろ!」
     俺がいらついて怒鳴ると、「キャ」と小さな、妙に可愛い悲鳴が聞こえて、周りの赤い光が消えた。なんとそこは俺のアパートの部屋だった。おまけに自転車まで部屋の中に転がってやがる。
    「あの、すいません、すいません……わたし、異星人との遭遇は生まれて初めてで」
     その声の主は俺の目の前に座っていた。六畳一間の畳の上の折りたたみ式のテーブルをはさんで向かい合う格好で、俺と彼女は座っていた。
     たっぷり十秒ほど、俺は相手をじっと見つめていた。そしてやっと、驚いた。相手は全身をすっぽり包む銀色の宇宙服のような物を着て、そこはいかにも宇宙人らしかったが、まるっきり地球人と変わらない姿をしていたからだ。
     しかも、しかも、である。百人中九十九人までが文句なく認めると言っていい、美少女だったからだ。
     肌の色は日本人より少し白い。髪は肩までのストレートで、色が濃い紫なのが、変わっていると言えば言える。
     が、顔かたち、つぶらな目、小さめの唇、絵に書いたような美少女だ。
    「すみません……恒星間飛行は初めてなので、着地の仕方が分からなくて……それで、あなたと出会いがしらにぶつかってしまったようで……本当にすみません」
     何度もぺこぺこ頭を下げながらそう語る彼女を横目で見ながら、俺は自分の体をチェックしていた。別にどこも怪我はなさそうだし、痛い所もない。自転車も少しハンドルが曲がっているようだが、壊れているというほどじゃない。あれならすぐに直る。
     俺はエヘンと咳払いをして気を取り直し、彼女の方に向き直り、まず訊くべき事を聞き始めた。
    「君は宇宙人なのか?」
    「え、あ、まあ、地球の人から見ればそうなりますね」
    「名前は?あ、俺は北条早太。」
    「ラミエルと申します。よろしくお願いしますね。」
     俺達は、まるでお見合いのようにテーブルを挟んでお互いに頭を下げた。
    「でも、なんで、俺のアパートの部屋に戻ってるんだ?」
    「はい、お怪我はなかったようですが、しばらく意識を失ってらしたので、脳の中の記憶をスキャンさせてもらいました。ご自宅へお連れした方がいいと思いまして」
    「で、この星、あ、知ってるとは思うけど、俺達は地球と呼んでる。この星には何しに来たんだ?」
     宇宙から来た美少女、ラミエルはにっこりと、それはもう天使のような愛くるしい笑顔で、間髪入れずにこう答えた。
    「はい、この星を征服に来ました。地球征服が私の任務です」

     ですから、よろしく、と言われて反射的に、ああ、こちらこそと返事してしまった後、俺はその場でどのぐらいの時間固まっていたのだろうか?ラミエルと名乗る宇宙人の美少女はその場にじっと座って微笑み続けていた。宇宙人でさえなければ、そのままずっと見つめられていたいと思うほど可愛い笑顔で。
     やがてノックもなしに部屋のドアがバターンと勢い良く開いて、その凍りついた時間を力ずくで再開させた。
    「お兄様……おにいちゃん……兄貴……おーい、ハヤタ」
     最後は呼び捨てかよ!実の兄貴に向かって、まったく……
     遠慮のかけらも見せずに部屋にずかずか入り込んで来たのは、妹の麻耶だった。麻耶は目ざとくラミエルを見つけると、ニヤッと嫌な笑いを浮かべてこう言いやがった。
    「五千円で手を打つよ」
    「な、何の事だ?」と怒鳴り返す俺。
    「浪人生が、親の金で借りてるアパートに女連れ込んでたってチクられてもいいわけ?口止め料五千円、安いもんでしょ?」
    「あ、あの……」
     ラミエルが消え入りそうな声で割って入った。
    「妹さんなんですか?」
     その頃になってやっと、麻耶も彼女の格好の不思議さに気づいたらしい。数秒間じっと彼女を見つめた後、不意に握った右手を開いた左手にポンとたたきつけて……
    「彼女、アキバのウェイトレスさん?最近はそういうのが流行ってるの?」
    「なんでそうなる!」と俺。
    「それにしても綺麗な人ねぇ。兄さん、どうやってだましたの?ああ、それとも何か弱みを握って……」

    ←前のページ 現在 1/47 ページ 次のページ→

    1ページ目に戻る
    ▤ 目次ページに戻る


    お気に入りリストに追加 この作品を応援する

    応援ボタンを押す事で作品の★が増え、作者に「イイね!」を伝える事ができます。

    コメント

    作者紹介

    この作者の人気作品

    小説 の人気作品

    続きを見る