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シリーズ:彼女は創価学会員
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彼女は創価学会員

作者:おはぎ

  • 無料作品 有料作品:¥0(税込) R18
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    ぼくの彼女は学会2世とかだった。
    ぼくは宗教の自由は尊重する。
    しかし・・・・


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    彼女は創価学会員 34576文字

     

     この信心はね、願ったことは必ず叶うのよ。」

    ちょっと僕には、その話が飲み込めなかった。

    拠点? 支部? 
    人の集まる場所に、自宅を提供すると家が大きくなる?
    それで仏壇まで大きくなる?
    ???
    とにかくこの家は30年も、創価学会の人が集まれるように、自宅を提供してきたんだ。
    そして、僕の彼女は、そんな家で育ったということなんだ。

    僕が、ちょっと呆然としてるのを察知してか、彼女は話題を変えようとした。
    「ママ、学会の話はまだ・・・」
    しかし、彼女の母親はそれを振り切るように続けた。
    「こうして出会えたのも縁あってこそよ!
     私たちの信心はね、信じられないかもしれないけれど、本当に最高の仏法なのよ。
     池田先生という素晴らしい師匠と共に生きるって、素晴らしいことなの。
     創価学会は、今や世界190の国と地域に広がってね、もうあちこちの国から、
     センセイ来て下さーい・・・!!って招かれてるのよ!」
    「ママ!ママ! 町田さん・・・びっくりしてるから・・」

    彼女の言う通りだった。僕はかなりビックリしていた。
    母親も、彼女の言葉に慌てて口を塞いだ。
    父親は、そんな母親の影で、ほとんど気配を消していたが、気まずそうな顔して僕を見上げていた。

    そして彼女は、うつむきながら母親にこう言った。
    「ママ・・あまり学会の話は説明してなかったの・・・。
     だから、いきなりそういう話をしても・・・・」

    母親の顔が、急に不機嫌になった。
    「・・まだ話してなかったの? 」
    彼女は、うつむいたまま 小さな声でこう言った。
    「話したけど・・・親が熱心だって・・それだけしか話してないの・・」

    僕は何がなんだかだ。
    しかし、彼女が母親に責められてるように思えた僕は、助け舟を渡した。

    「あの・・創価学会ってことは、すでにお聞きしてます。
     僕は、信仰とか興味はないですが・・、その・・彼女を見ると学会も良いかな〜?って思えましたよ」

    僕を見上げる彼女の顔は、まるで救世主を見るような眼差しをしていた。
    しかし母親の方が「お世辞で褒めてるのではないか?」と疑っていそうだし、僕はさらに続けた。

    「仏壇に手を合わす姿は、初めて見ましたが、いいもんですねー。
     殺伐とした今の時代、こういう清い光景を見ると、なんかこっちまで心が落ち着きますよ〜
     いいんじゃないですか?創価学会も。 
     悪い噂はいろいろ聞きますが、理恵ちゃんのような人もいるんだし、どうってことないですよ。」

    僕の話に、母親は嬉しくてたまらないようで、みるみる顔が笑顔に変わった。
    あの気配の薄い父親でさえ、母親の後ろで嬉しそうに体を揺すってる。

    その時、座卓の下で彼女は、僕の手を握り締めてきた。
    彼女を見ると、僕にすべて任せます・・という全伏の信頼を込めた目で、僕を見つめていた。
    僕も、「任せてくれ!」と言う気持ちを込めて、その手を握り返した。
    今夜の僕も上出来だ。





    町田が帰った後で、理恵の母親は、こう言った。
    「町田さん、今度、幹部に会ってもらいましょう。
     理恵は、町田さんに振られるのが嫌だから、折伏することに怖気づいてるでしょう?ママにはわかるわよ。」

    図星だった。
    母親はさらに続けた。
    「あ〜ぁ!女子部はなぜか未入信の人とばかりくっ付くのよね。
     男子部は、売れ残るばっかりだわ。
     それに、理恵のことを気に入ってる男子部の人、何人いたか知ってる?」
    「ママ、町田さんだって、必ず信心してくれるわよ。
     それに私も、そう願ってる。
     町田さんは、確かに良い人だけど・・・、男子部の皆みたいな、強いパワーには少し欠けてると思うから・・。
     一緒に会合に参加して・・一緒に活動できて、一緒に世界広布について語り合えるようになりたいわ・・・・」
    娘のその言葉に満足した母親は、ニッコリ笑い
    「そう、その気持ちを忘れずにね!願いとして叶わざるのご本尊様よ!」と言った。





    そんな穏やかな日があったのに、それから1ヶ月後のことだ。
    町田は、とある創価学会の会館の前で、悲しみと怒りの混ざった顔をして立っていた。
    町田の前には、理恵が泣きながら立っていた。

    町田は叫んだ。
    「平凡でも良いというのじゃだめなのか!!!!」
    理恵は、涙をぬぐうこともせず、まっすぐに町田を見返した。
    「平凡な幸福なんかは一時的 私は絶対的な幸福を求めてるの!!!」

    町田は、もう何を言っても無駄だとばかりに頭を振り、
    理恵をその場に残し車に乗り込むと急発進し、あっという間に去って行った。

    1人立ち尽くす理恵のそばに、二人の幹部と、理恵の母親が駆け寄った。
    理恵は、途端に号泣した。
    母親は、そんな理恵の頭を優しく撫でながら、こう言った。
    「偉いわ・・・。理恵、貴方は、偉い子よ・・・
     せっかくのチャンスなのに、町田さんは信仰を拒否した・・。
     彼は、きっと後悔するはずよ」




    「あの理恵ちゃんがかぁ?!信じられん!!!」
    兄貴が、バーのカウンターを握りこぶしで叩きつけた。
    僕は、すでに酔いが回っていたが、頭の中はまだ悲しみと怒りで一杯だった。
    グラスを強く握り締めることで、やっと正気を保っていた。
    兄貴は、僕の肩に手を置いて、こう言った。
    「忘れろ。悪いことは言わん。俺、学会員のダチを見てきてるから知ってるんだ。
     ちょぼちょぼやってる連中はいいが、バリバリの信者だとロクなもんじゃないぞ。
     特に女はな、女房にもったらサイアクだ。
     家のお金も財務とか言って、創価に寄付されちまうしな。」
    「そういう噂は、知ってるよ・・・僕だって。 
     あ〜あ! それにしても、彼女・・・・
     今頃になって熱心な信者ってことを明かしてくれるんだもんなぁ!!最初に言ってくれれば・・・」
    僕は、頭を両手で抱え込んで、テーブルに突っ伏した。
    会館で起きたことが、まだ生々しく思い出される。


    僕は乗り気ではなかったが、彼女がどうしても会わせたい人がいるからと言うので、仕方なく創価学会の会館に出向いた。
    「ね?何を話すの?」
    「うーん・・・。
     私が未来部・・・つまり小学生のころから大変お世話になった人たちがいるの。
    その人達にも、是非貴方を紹介したくて・・・」
    彼女に、そうなだめすかされながら、僕は靴を脱ぎ、会館の中に入って言った。
    30畳もある和室に通されると、背広を着て、恰幅の良い30代半ばの男性二人が僕を出迎えた。

    「やあ こんにちは!よく来たね!」

    悪いが、彼らの笑顔はどうしても本物には見えなかった。
    僕は、促されるままに彼女と一緒に、その二人の前に坐らされた。
    彼らは最初、他の宗教のことを話だした。
    宗教には悪い宗教と良い宗教があり、悪い宗教を信じると不幸になる。
    それから宗教のない人生も同じく不幸なもので
    羅針盤のない船で海を航海するようなものだとか、根無し草のような人生だとか。

    僕は、あまりにスレてしまっていたのか、悩みがないせいなのか
    彼らの話が、イマイチぴんとこなかった。
    何よりも、信仰のない人達の人生を否定するかのような説明に、カチンときた。
    僕は、大人しく聞いていたが こう言った。

    「あの・・・平凡な人生も素晴らしいんじゃないんですか?」

    僕のそんな問いなど、彼らにしてみればどうやら「よくある問い」のようだ。
    脂ぎった太った男が、待ってましたとばかりに喋りだす。

    「自分のためだけの幸福を求める人生など、後で何も残らない。
     でも、人の幸福を願って行動する人生は、しっかり我が命に刻まれるんです。」

    僕はたまらなくなった。

    「あのさ・・・ 僕は別に、自分だけの幸福になればいいって言ってるわけでもないんですが。
     親のこと、彼女のこと、トモダチのこと・・皆の幸せを願ってる!」
     そういう平凡で当たり前の生き方でいいんですが」

    今度は脂ぎってない痩せた男の幹部の方が、笑顔を崩さずに言い返して来た。

    「願うことは誰でもできます。
     でも、貴方は本当にみなさんを幸福にできますか? 
     何があっても 幸福になれるという自信がありますか?」

    僕は 言葉につまった。
    彼女を見ると、この幹部の連中と同じような自信に満ちた顔をしている。
    なんだかいつもの、彼女とは思えなかった。

    何も言葉を返せずにいる僕に、穏やかな口調で、痩せた方の幹部がこう言った。

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