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シリーズ:禁煙法時代
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禁煙法時代

作者:不知詠人

  • 無料作品 有料作品:¥0(税込) R18
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    日本でタバコが法的に禁止されたら?……


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    禁煙法時代 1110文字

     

    西暦201X年、日本政府はついに「禁煙法」を可決、即日施行した。
    煙草の製造、販売、所持は全面的に禁止され、もちろん煙草を吸う行為も重大な犯罪行為となった。煙草を吸った者は3年から5年の「喫煙者再教育施設」という名の強制収容所へ送られる事になった。
    だがアメリカの禁酒法時代にも、もぐりの酒場があちこちに作られた。これは Speak Easy  (スピークイージー)と呼ばれた。表向きは飲み物付きの談話室みたいな物とされていたせいだ。
    日本でも、ビルの地下に「スモークイージー」と呼ばれるもぐりの喫煙店が全国あちこちに出現し、政府は警察内部に喫煙者を取り締まる重武装の特殊部隊を新設、この秘密の喫煙店の撲滅を狙った。
    さてある日、ある青年がとあるスモークイージーで一服やっている最中に、特殊部隊がドアを斧で叩き割って突入してきた。
    青年は一緒にいた十数人の喫煙者ともども、金網張りのトラックの荷台に放り込まれ、裁判の結果、3年間の強制収容所行きとなった。
    その収容所の部屋は全て独房で、放り込まれた自分の部屋で震える青年の前で分厚い鋼鉄のドアがギギィーと音を立てて開き、矯正官がコツコツと靴音を立てて入って来た。
    矯正官は背の高い女性で全身を黒い革のブーツと服に包んでおり、何故か両手にはムチとローソクが……
    (い、いかん、趣味に走ってしまった。以下は省略)

     3年後、見る影もなくやつれ果てた姿となった青年は刑期を終えて実家に帰って来る。
     両親は何も言わずに青年を家に招き入れ、母親は時折涙をぬぐいながらお茶の用意を始めた。
     青年と、めっきり老けた父親は居間のテーブルに向かい合って座る。
     父親が言う。「よく無事で帰ってきてくれた。これでお前も懲りただろう。これからはお上が認めた合法的な楽しみだけで満足するんだ。これは、今日のために母さんがへそくりをはたいて用意してくれたんだぞ」
     そう言って父親はテーブルの上の布をめくる。
     そこには、マリファナ、コカイン、覚せい剤、その他ありとあらゆるドラッグがあった。
     そう、青年が強制収容所にいた3年の間に世の中はすっかり変わり、煙草は相変わらず禁止だが、麻薬類は全面的に合法化されていたのである。
     一説にはいくら取り締まってもまん延する麻薬に政府が匙を投げて、じゃあいっそオランダみたいに合法化してしまえ、という事になったとか。
     青年は父親と一緒に仲良く金属製パイプで覚せい剤の煙を吸いながら、「うん、分かったよ、父さん。俺、これからは真面目に生きてくんだ……」と言いながら、涙をこぼしたのであった。

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