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シリーズ:八つ裂き村
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八つ裂き村

作者:風呂助

  • 無料作品 有料作品:¥0(税込) R18
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    お題:戦艦の薔薇


    登録ユーザー星:4 だれでも星:0 閲覧数:554

    八つ裂き村 9113文字

     

     私が中学二年生の夏休みから、二学期の最初の話です。


     昔の話って言われてるけれど、爺ちゃんも昔の話だって
    そう言うし、どのくらい昔なのかは判らないんだけどね。
    この町がずっと昔、まだ村だった頃の話らしいの。昔々。

     八裂き塚っていう、ちょっと気味が悪い名前の立て札が
    あっちこっちに今でも残ってるんだけど、立て札っていうか
    丸太みたいなのが、立ってるだけで。それを削って彫って
    「八裂き塚」って書いてあるだけなのね。

     名前がなんか怖いけど、近くに塚とか祠とか何か祀った
    っていう感じの物もないし。神社やお寺も近くに無いし。
    全然、森の中でもなくて、人の多いバス通り沿いなのね。
    通り道の真横とかに、ポツンって普通にあるの。

     しかも結構、奇麗で定期的に新しくしてるのかも。
    それでも観光とか、パワースポットとかで流行っても無い。
    この町は何も観る所も無いし。温泉も湧かないからね。
    大体は、みんな中学を出たら市内の高校に行くの。、
    当然、そのまま都会の大学へ行っちゃうんだよね。

     それでも、過疎化してるって程でもなくて。
    だから多くは無いんだけど、小中学校は普通にあるの。

     今年の夏休みの自由研究に、私はこの町の地図を、
    歩いて作ってみようって。ガイドブックみたいなの。
    色々調べて、地図に載ってない所をピックアップして。

     結構、楽しかった。でも夏休みが明けた二学期に
    先生に言われた。それからが本当の研究だった。


    「根岸。自由研究頑張ったな!凄いじゃないか!
    ただ、あー何だ。ここにガイドされている場所以外は
    河の方は、まぁ土砂崩れなんかもあるから、そのな。
    近づいたり、写真を撮ったりとか、してないよな?」

    「え、あ、はい。私も河とかは危ないから。なるべく
    図書館や、役所方にお願いして資料から取材しました。」

    「そうか。そ、それならいいんだ。とにかく根岸に
    怪我が無くてよかった。そうか。いや見事な研究だな。
    これはクラスで発表して貰おうかな。」

    「あ、ありがとうございます!嬉しいです!」

    「そうかそうか。じゃあ、気をつけて帰れなー。」

    「はーい!センセーさようならー!」


     大嘘です。

     私は山合いも河沿いも、全て自分の足で取材して
    写真にも記録しました。これ提出できない資料です。
    この八俣町(ヤマタチョウ)の地図。本当の地図。


    『八裂き村』


     特に誰も気にしない。名前が気味悪いっていうだけ。
    ちなみに、そういう変な習慣や信仰が大昔にあったって
    記録も無いよ。って爺ちゃんも言ってた。

     この町は空から見ると平仮名の「ひ」みたいな形で
    河が流れてる。一番上の部分を真っ直ぐに伸ばして
    普通の河にしなかったのは何故なんだろう。
    まるで、何かを避けるように遠回りしている。

     そんなだから「ひ」の内側と外側に、橋が架かって、
    大きい橋も小さい橋もあるの。仮にこの町を囲む河を
    時計の丸い数字で例えるとしたら、0時の部分だけは
    河がないの。道もないの。

     地図で見ると山の崖が、出っ張って森のようなの。
    実際に北側へ行こうとすると坂を下って、森が見える。
    ただ、私はこの坂を下ると、ちょうど河と同じ位?
    そういう気がしたの。森は立入り禁止で役所の管理地。

     昔、中学生の男の子達が肝試しって入って、結局は
    何も無い上に、凄く怒られて鉄条網で仕切られたとか
    実際は、何人かの内で1人だけ事故にあったのか、
    行方不明になったとか、大怪我したとか。それから
    立入り禁止になったんだとか。色々。色々。色々。


     その森は何かを避けているようにも見えるし。
    【何かを裂いているように】も感じる。少し恐くて、
    町の北の森って、何か不気味だよねって。
    クラスでも体の大きい力も強い、運動も一番の
    川下賢司(カワシモ・ケンジ)くんに言ってみたら。

    「根岸は恐がりか。あんまそうは見えないな。」

     って笑われました。そのうえ家に帰ってからも、
    何を避けてるのかなって、家でさり気無く呟いたの。
    お爺ちゃんのその又、お爺ちゃん。私の曾々お爺ちゃん。
    が、お爺ちゃんに、教えた事があるんだって。

    「八裂き塚の札を数えたらいかん。淵にのまれる。」

     でも、町には淵なんて無い。自由研究で歩いてみた。
    淵なんて何処にも。無いって思ってた。思いたかった。

    ……森の中は見ていない。

     八裂きの塚の立て札は、確かにいくつかあって
    数えてはいなかったんだけど、何か嫌な気分がしたから
    学校に提出する用は、別に新しく作り直したの。
    最初に作った地図は引き出しの中にある。


     私が見落としていないとしたら、八裂き塚は七つです。
    その一番目の立て札は(順序は独自の解釈です。)
    平仮名の「ひ」を書く、河沿い道のバス手順で言うと、
    時計の10時と11時の間。西側からバスが来る道に
    短い橋があって、そのすぐ側のバス停(八俣入駅)の所。

     ここの駅は使う人も少ないけれど、屋根がある広さで
    運転手さんが交代する、ターミナルみたいな場所。
    その屋根のある、後ろ側にあります。ここから河が
    見下ろせるけれど、右の方は森になっていて見えないの。

     二番目は道沿いに来て、左側の崖を避けるようにして
    橋を渡った直後。ここはバス停も無いので見つけ難いの。
    時計でいうと9時の辺りになる場所。でも、町を歩いて
    市役所方向に行くのは便利な道。街灯もあるし安心。
    立て札は只の道案内みたいに、普通に立ってます。

     三番目は道も大きくなって坂を登って(市役所前)の
    バス停から少し離れた、市役所の真横にあります。
    時計でいうなら7時と8時の間付近。

     順番があってるのかは判らないけど、実はここは
    ちょっと見つけ難いです。市役所の庭園みたいな所が
    お年寄りの集会所みたいになってるんだけど、
    その庭園の中に一箇所だけ、獣道みたいな抜け道で
    お年寄りがいると、入ったら駄目だと怒られます。

     時間を見計らって、立入り禁止とも書いてないので
    隙を見て入って、中をくまなく撮影。肝心の立て札は
    かなり暗い林の中にあって、そのまま行っちゃえば、
    山に入っちゃう感じなんだけど、間違いなくちゃんと
    人が歩けるように道が出来ていて、その途中にあるの。

     ここ、かなりそのままみたいで、朽ちて腐ってるの。
    でも、人が通れるようにちゃんとされてた。それが。
    何か不気味な気がしたの。誰かに見られてるような。


     四番目になるのは、またバス通りに戻ってから、
    一番、南の所。図書館もここにあるし、スーパーもある。
    バス通り沿いでは一番大きく、時計でいう6時の所。
    ここの立て札が一番奇麗で、裏には説明も載ってます。


    「八裂き塚とは、大昔、八俣村だった頃に悪さをした
    大蛇を、勇敢な侍が八裂きに仕留めたものの。
     悪蛇とあっても情け無用とすれば、祟り禍を成すと
    塚を沼に祀って、山伏に頼んで村の守りとして祈願し。
    八裂きの蛇体それぞれを、村の周辺に祀ったもの。」 


     と、書いてあった。メモを確認したし、デジカメにも
    やっぱり間違ってないで映っている。但し、ここも。
    もちろん、どこも全て、立て札だけあって塚や祠は無い。

     あれ?

    「塚を沼に祀って」って何だろう?気がつかなかった。

     沼?

    「八裂き塚の札を数えたらいかん。淵にのまれる。」

     沼と淵は同じなのかな?どっちにしても。この町には
    河はあるけど。沼とか淵とか池とか湖とかは無い。
    水が【貯まる】所は聞いた事が無い。あの北の森以外は。


     とにかく次は五番目。時計で4時と5時の間。
    ここは、一番鉄道の駅に近いバス停なので見つけやすく
    (糸跡駅:シセキ)という変な名前のバス停です。
    ここら辺は八俣一丁目とか二丁目とか、八俣市役所とか
    八俣とは違う町の名前ですが、同じ町の中です。

     ここの立て札は他よりも常に、新しくて奇麗です。
    鉄道が近いせいかもしれないです。ただ、その割には
    駅前のスーパー以外は、特に開けている印象は薄いです。
     バスはここで一度駅前で、道を戻るか、先へ進みます。
    戻る場合は車庫に帰る事が多いの。車庫は隣町です。
    駅前には立て札は無いです。

     六番目。時計の3時の場所にある立て札は、唯一、
    八又神社の足元に立っていますが。八又神社とは無関係で
    境内にあるわけでもないので、手入れもされていません。
     お爺ちゃんによると、この町(お爺ちゃんは今も村と

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